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先日、小西真奈美さんと向井理さん主演の舞台『悼む人』を観てきました。
死者を悼む旅を続ける静人、愛する人を殺した女性、人を信じられない記者、末期がんの母、そして新しい命を身ごもる妹。
それぞれが死や生きる事と向き合う物語は暗く重く、見終わってしばらく私自身考える事が多過ぎて言葉にできませんでした。

この舞台を観る数日前、私は祖父を亡くしました。
大好きだった祖父、施設に入り日々弱っていく姿を見るのは辛く切ない事でした。
祖父の体調はその後悪化し、施設から病院へ。
話す事も笑う事もなくなり寝たきりの状態になってしまったそうです。
亡くなる少し前に母から病院にお見舞いに行くから行くかと言われたけど仕事で行けず、
『また遊びに来てね』と祖母と仲良く笑顔で手を振ってくれる姿が、私と祖父との最後の思い出はとなりました。
私はそれで良かったと思います。

舞台の中で向井さん演じる静人が自分のやっている事を自問自答しながら旅をする中で、ある家族と出会い息子さんの死の話を聞き、家族から『息子が亡くなって初めて息子の話をして笑う事が出来た』と感謝される場面があります。
昔読んだ『少年A』という本を思い出しました。
すごく失礼な言い方になるかもしれません。
でもどんなかたちで亡くなってもその人を大切に思うからこそ、その人を思い出す時は笑顔であって欲しい

私自身、正直まだ死について深く考える事が出来ません。
ただ、初めて自分に近い人を亡くし、その人の事を思い出すとき、その人が笑顔で優しい気持ちになれる事は幸せだと思うのです。

とても素敵な舞台にご招待して頂いた小西真奈美さん他皆さまに感謝します。
# by mikabebe | 2012-10-30 05:24 | 映画&本